アイシング、マイラブソング
そんな僕の気持ちを察したのだろう、

翌朝の千架は謙虚だった。


「悠…本当、ごめんね」

「いいってば」

「彼女なら、会うのが当たり前だよね」

「そりゃあ、メール見た時はさみしかったけど…今は本当に気にしてないよ?」

「毎年恒例なの。ウチは両親が仲良しだから、そのデートに付き合わされてるって感じで」

「いいね、そういうの」

「ん………」

千架があからさまに落ち込んでいる。

僕は寝たら病気も機嫌も治るヤツだ。

だからイヤミでもなく、本当に気にしていなかった。

プレゼントだって、クリスマス当日に渡さなきゃいけない決まりなんか無いし。

来年もあるし。

もう割り切っていた。


それより、

千架を悲しくさせている今の方がツラかった。


―どうしたら伝わるかな…
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