アイシング、マイラブソング
すべて吹っ切れた気分で眠りについたのが良かったのかもしれない。


千架の夢を見た。


内容は覚えてないけど、確かに千架が登場した。

シアワセ気分で目が覚めたことが何よりの証拠。


―8時かぁ…


昼寝にしては寝過ぎたし、夕寝にしては早すぎる。


―中途半端な時間だな…


そう思いながらも体を起こした。

う~んと伸びをすると背中や肩がパキパキ言った。


ピピピピピピピ


骨の鳴る音とほぼ同時にケータイが鳴った。


「おっ!」


千架から着信。

あまりに焦って
一度手を滑らせながらも電話口に出た。


「もしもしっ」

『ただ~いまっ』

「おかえりー!家着いたの?」

『うん、会いたくて』


ちょっと気になる言い方だった。

が、それよりも千架と喋っているハイテンションでさらっと流した。


「楽しかった?」

『うん』

「オミヤゲあるの?」


『うん!今から渡していい?』


「えっ??」
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