アイシング、マイラブソング
『酒屋の隣って言ってたから

 すぐ分かった、悠の家』


「ええーっ?!」


僕は慌てて窓の外を見た。


「千架!!!!」

ゴンッ!!

「痛っ…てー!」


窓も開けずに身を乗り出し、
思いきりおでこをぶつけた。



―ホントにいる!!



僕の家の前、
暗がりの路地に、

千架がちょこんと立っていた。


僕は寝間着のスウェットのまま、
手近なダウンジャケットをひったくって部屋を飛び出した。


「痛っ!!」


今度は部屋のドアを出るところで足の小指を引っ掛けて。
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