アイシング、マイラブソング
「俺の夢はね、千架と結婚すること」


「…うん」


「千架や子供が側に居て、そんな生活、絶対シアワセ」


彼女は小さく頷きながら聞いている。


「悠とあたしの子供は何人?」


「二人…?」


「ふふ、現実的な数字」

「いっぱい欲しいけどさ!俺の安月給ではとても…」


「あはは、給料安いって決まってるの?」


「まぁ、普通の人のもらえる額は知れてるってこと。俺は千架が毎朝見送ってくれて、帰りのお出迎えもしてくれるなら、バリバリに働けるからね」


「うん、すごい」


「犬か猫も飼いたいな。千架の家みたいに広い庭に大型犬か、毛糸みたいにふわふわした毛の長い白い猫」


「これまた、細かい願望だね!」


「ね、こっちの方がリアルでしょ?」


「あ…」


「だからね、千架の見た夢なんか気にしちゃ駄目だよ。」


千架がうるんだ瞳で頷く。


「もう一回言うけど、俺から別れようなんて有り得ない」


「うん…」


「誓えるよ。こうして一緒にいるのが勿体ないくらいなのに…」


涙を浮かべて微笑む彼女に、

突然、愛しさが増幅した。



「絶対誰にもやらない。

 渡さない。

 もう俺のもの」



千架を抱く腕に力が入る。


千架も同じようにしてくれた。
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