アイシング、マイラブソング
喫茶店で時間を潰しているとすぐに陽が落ちた。


「ゴハンどうする?」


千架が聞くのですかさず答えた。



「良さげなイタリアンのお店あったから、そこにしない?」


「もしかして誕生日だから良いとこ調べてくれたのかな?」


「そりゃあ、ね。今日は主役だよ?申し訳なさそうにしなくていいの!」

「うれしいな…ありがとう!」



―良かった…。



こんなに喜んでくれるなんて、調べた甲斐があるってものだ。




さらに僕は
食後のサプライズもバッチリ用意しておいた。


普段食べ慣れていない美味しいイタリアンでお腹をふくらませ、

地元の駅に着いたところでそれを発動した。



「あぁ~おいしかった♪」



満足げな千架。

見てるだけでこっちまでしあわせな気分になる。


家まで送る道のりの途中、

場所とか何も考えなしに、

ここだと思ったタイミング、

住宅街の真ん中で千架を呼び止めた。



サプライズプレゼントを渡すために。
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