アイシング、マイラブソング
「千架…これプレゼント」


ポケットから指輪をふたつ取り出した。


立ち止まっている千架は

そんな僕の手元を
じっと見ていた。



「ひとつは俺の。ペアリングなんだけど」



プレゼントをこれにしたのは本当に偶然だった。

悩んでいた時に、
クラスの友人が「彼女にペアリングせがまれてて困ってんだ…俺つけるのキライだし」という言葉にピンときた。


まぁ後半部のグチはどうでもいいとして、

普通に女の子が欲しいもの、
千架も欲してるに違いない、

と単純な僕はその帰り、
さっそく手頃なアクセサリー屋に寄った。


一言でペアリングと言ってもいろんな種類があった。


二人で決めた方がいいかなとも思ったけど、

プレゼント=ペアリング
という頭になってしまったのでもう引けなかった。


美和に協力を依頼して
さりげなくサイズを聞いてもらい、

このサプライズが実行できたのである。
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