アイシング、マイラブソング
「悠が…買ってきてくれたの…?」


「うん」


「あたしの欲しいもの…なんで分かったの?」



―そうだったの?!



自分の
タイミングやら
運やら、
色んなものに感謝したくなった。


「…いやぁ、俺も欲しかったし…?」



「ペアリングは女の子の夢だよ」



「そうなの?」


「付き合ったらまずペアリングって子もいる」


「そんなに…大事なんだね」


「悠は指輪とかしないかなって遠慮してたんだけど」


「千架とお揃いだったら何だって付けるよ!」


「ありがとう…ねえ、はめて」



少し涙目の千架が右手を差し出す。



―アタリだなぁ…こんなに喜んでくれて。本当に良かった。



「どこがいいの?」



「あたしはお姉さん指」


「じゃあ…」


まるで

結婚式の指輪の交換みたいに、

月明かりの下、
静寂と聖夜の雰囲気の中、


千架に指輪をはめてあげた。
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