アイシング、マイラブソング
走り始めて10分もしないうちに千架を見つけた。
千架は見通しのいい歩道脇のベンチに居た。
じーっと空を仰ぎ、マネキンのように生気がない。
泣いているのか、
怒っているのか、
遠目からは分からないが僕の予想はこのふたつ。
いずれにしても、彼女に話しかけなければ何も始まらない。
ゆっくりと歩み寄り、3メートル手前から呼びかけた。
精一杯、優しい声で。
「千架…?」
はっとしたように振り向いた彼女の真っ赤な目から、涙があふれていた。
「悠…さびしかった…!」
僕の予想『泣いている』は当たり。
ただ、理由が異なった。
悔しくて、僕に呆れて泣いているのだと思っていたのだが…
千架は見通しのいい歩道脇のベンチに居た。
じーっと空を仰ぎ、マネキンのように生気がない。
泣いているのか、
怒っているのか、
遠目からは分からないが僕の予想はこのふたつ。
いずれにしても、彼女に話しかけなければ何も始まらない。
ゆっくりと歩み寄り、3メートル手前から呼びかけた。
精一杯、優しい声で。
「千架…?」
はっとしたように振り向いた彼女の真っ赤な目から、涙があふれていた。
「悠…さびしかった…!」
僕の予想『泣いている』は当たり。
ただ、理由が異なった。
悔しくて、僕に呆れて泣いているのだと思っていたのだが…