アイシング、マイラブソング
千架は

終始
僕の方を見て歌っていた。



観客は皆
目を閉じていて、


千架は僕だけのために歌ってくれていたような気がする。



それが勘違いじゃなければ、

いや、勘違いでもいいから、

今すぐ伝えたかった。



「千架!俺もっ
ワアアアアアアア!!

 …だいすき…。」


観客は千架の澄んだ声と
やわらかなメロディー、
そして恋の詞に魅了され、
大歓声をあげた。



「ありがとうございました」



千架はぺこっと頭を下げ、
堂々と舞台そでへ帰っていった。


「千架また上手くなったなぁ。悠くんとレンアイしてるからかなっ」


美和がいいこと言ってくれる。


「あの詞も千架が作った歌だよ。あなたが大事でいとしいの、だって~☆」


「へへ、愛されてますから」



美和の手前、
強がりに近い冗談を言った。


本当は、
あの距離に切なさを感じてたのに…。
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