アイシング、マイラブソング
「祥はあの子のこと…ちゃんと好きだった?」


「告白してくれてありがたかったから友達からって思ったけど、結局好きにならなかったな」


「女の子がかわいそうだよ」


「そうかな」


「付き合うって、相手にも想われて、成立するんだ」


やたら熱くなってきた。


「祥に好かれてないのに付き合ってるだなんて、空回っててかわいそうだ」


「好きなやつと付き合えるだけで嬉しくないの?」



「俺は…」



初めはそうだった。


千架と付き合えたらいいなって。



でも実際それが叶ってみると

欲が増えてった。


千架にもっと想われたい。

千架に触れられたい。


千架が「大丈夫?」なんて心配そうに僕を見つめてきたり

千架が「悠がすき」と抱きついたまま言ったり

そんな千架の僕に対するすべての行動に心が揺さぶられて。



その

心臓から喉のあたりが
きゅっとなるような
しあわせな気持ちは、

片想いでは味わえない。
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