アイシング、マイラブソング

【6―1】演者のかなしみ

あれから

数ヶ月が経った。


高三の夏は忙しい。


僕はというと

部活を引退し

面接やら何やらの練習し始め

就職活動に専念していた。


夏休みも学校に通うことが多かった。


祥は工業大学に行くと言って受験生モードだったので、

それにくっついて行くこともあった。



祥といえば

「恋するとウザイ」

とか言って僕を疎ましがっていたけど


別れた直後の
僕のあまりの落ち込みっぷりに



「やっぱりウザイ」



とトドメを刺した。



「優しい言葉はねえのかよ」とツッコむと


「最上級に誉め称えてるぜ。世界一恋してるって」


と言った。


やはりけなされている気がするが…
まぁそれで少し気分が晴れた。



確かに、

千架に恋する気持ちは

簡単には変えられなかった。
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