アイシング、マイラブソング
千架と別れてから

一度も会っていない。



しばらくは
千架を思い出して

女みたいだけど
泣きたくなる夜が続いた。



自分が隣で支えになるぐらい良いんじゃないかって。


電話やメールはいらないし
会わなくていいから
邪魔にならないように付き合うことはできないかって。




でも

千架の立場になると

別れた意味はある気がした。



支えがあると
寄りかかりすぎてダメになるだろう。


相手がいれば
電話やメールはしたくなるし
会いたくなるし
歌の練習が怠慢になるだろう。



そう考えた結果が

別れることだったんだ。


キライになって別れたんじゃない。


そう信じて、

―だから大丈夫

と自分に言い聞かせ続けてる。
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