アイシング、マイラブソング
駅に着くと
ちょうど地元へ向かう電車が出てしまった。


―次は…ん~、あと10分


祥みたいにゲームはないし
雑誌やマンガは持ってなかったから時間を持て余す。


とりあえずすぐ側のベンチに座ることにした。




どっくん




―げ!!!




―… ……… 千架!




ここ数ヶ月

恋しくて

泣きたくて

それでも
ガマンして
ガマンして
拝むことを堪えまくっていた神々しい姿を

この日、捉えてしまった。



―学校…だったのかな


―久しぶり…だなぁ



同じ方面の電車に乗ると思い、

反射的に身を自販機で隠した。



「あぁ…」



ため息が漏れるほど

相も変わらず可愛いかった。


愛しかった。


全然忘れられていなかった。



今すぐ抱きしめたかった。

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