アイシング、マイラブソング
「待って!!」
どくん
泣いていた千架が
僕を呼び止めた。
思わず立ち止まる。
だが
さよならをした意地があって
振り返ることは出来なかった。
「悠!最後に…」
―千架…
「最後に一度だけ、」
―千架
「ぎゅぅって、して…」
―ダメだって…
僕は、
さよならした意地で
振り返ることは出来ない。
「ねえ、ゆーう…!」
僕は家に向かって歩き出す。
「悠!待ってっ…」
―待たない
「最後に、お願い…」
千架の声は泣き声でふるえてる。
「何でもワガママ聞いてくれるって言ったじゃん…!」
―それは付き合ってた時の話…
僕はいたたまれなくなって
その場から走り出した。