アイシング、マイラブソング
千架に向かって。
「悠、ごめん…ごめんなさい…」
今までにないくらい、
力強く、
千架のこれからの不安すら押し潰すように
ぎゅっと抱き締めた。
「それだけ泣かせておいて、放っておけねえよ…」
「悠は優しいのに…ごめん…っ」
「いいよ…これで俺も最後にするから…」
久しぶりに抱き締めた千架は
昔と変わらず
ちっちゃくて
柔らかくて
フローラルの匂いがした。
その香りが当時の思い出を連れてきて
ドキドキして
つい夢心地になった。
―この時がずっと続けばいいのに…。
腕の中に愛しい人、
祈らずには
いられなかった。