アイシング、マイラブソング
どくん
僕の心臓がこんな風に高鳴る相手は
この世に一人しかいない。
―千架…!
美和と連れだって、雑貨屋から出てくる千架を見つけてしまった。
―着ぐるみだけど
―来るかな
―来てもいいけど雪だるまに…
―頼む…!
「あ、サンタクロース!」
どき!
子供たちの声より何より、
千架の声を鮮明に聞き分けた。
―来ないで…
それ以上来たら僕は固まって動けなくなりそうだった。
だが千架はずかずかと歩み寄ってきた。