アイシング、マイラブソング
胸が苦しくなった。
―ねえ、それは誰?
―俺…かな?
―俺…ってことでもいい?
浅はかな期待と共に
千架をものすごく愛しく感じてしまった。
ポン ポン
気付くと
僕は千架の頭を撫でていた。
僕のは撫でるというより
手の平全体でゆっくりと軽く2回叩くという特徴がある。
ヘタしたら自分だとバレてしまう。
―しまった!!
「ゆ…う……?」
ドキッ!
着ぐるみの中でかいていた暑さのせいの汗が
冷や汗に代わる。
「…まさかね」
ほ~っ、と
胸をなでおろしていると、
「千架、サンタはプレゼントをくれるけど願いは叶えてくれないよっ」
という美和の言葉で彼女は横を向いた。