アイシング、マイラブソング
【7―1】太陽の嘆き
「う~~~、さみー…」
思わず言葉に出るほど
この日はとても寒かった。
2月半ばのある平日。
僕はマフラーを鼻まで巻いて、ポッケに手を突っ込みながら祥と帰路についていた。
おとといまでは『3月下旬並みの気候』だったのに、昨日の天気予報は寒冷前線がやってきたと伝えていた。
学校から駅までの道のりですら厳しかった。
「こんなんじゃ勉強やる気しねえよ…」
祥がぼやく。
奴はまだ受験戦争真っ只中。
電車の中は
“結局頭に入らない”
という理由で参考書とかを見ないので
帰り道は束の間の休息時間のようだった。
「おい、あれ美和じゃねえ?」
駅前に着くと
美和が暖をとるためか小刻みに動きながら立っていた。
僕は少々気まずい思いがあった。
言い表しにくいけど、
美和は千架の親友だから
僕のことや千架の近況や
いろんな話を知っているんだろうし…。
思わず言葉に出るほど
この日はとても寒かった。
2月半ばのある平日。
僕はマフラーを鼻まで巻いて、ポッケに手を突っ込みながら祥と帰路についていた。
おとといまでは『3月下旬並みの気候』だったのに、昨日の天気予報は寒冷前線がやってきたと伝えていた。
学校から駅までの道のりですら厳しかった。
「こんなんじゃ勉強やる気しねえよ…」
祥がぼやく。
奴はまだ受験戦争真っ只中。
電車の中は
“結局頭に入らない”
という理由で参考書とかを見ないので
帰り道は束の間の休息時間のようだった。
「おい、あれ美和じゃねえ?」
駅前に着くと
美和が暖をとるためか小刻みに動きながら立っていた。
僕は少々気まずい思いがあった。
言い表しにくいけど、
美和は千架の親友だから
僕のことや千架の近況や
いろんな話を知っているんだろうし…。