アイシング、マイラブソング
「無理?」



僕の心の声が聞こえたかのように美和が聞いた。


「千架と戻ること」


―笑顔にはしてあげたいけど…。



「…俺、二度も諦めたから」



別れを告げられた日と

最後に千架を抱きしめた日と。

今でも思い出すだけで胸が締め付けられる。



「好きじゃない…?」



好きに決まってる。



きっと姿を見たらまた愛しくなる。

だけど…。




「うん、吹っ切れた」




「ウソ」


ぎく


偽りの言葉を美和にあっさり見抜かれた。


だけど
千架を諦めた意地があった。

自分は案外頑固なんだと、
この時気付いた。



「何でウソなんだよ!マジだよ?」


「ウソつき」



心なしか美和の目が冷たい。

嘘の罪悪感が無駄に生まれてくる。




「…ウソじゃ…ないって…」


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