アイシング、マイラブソング

「バカかもしれないけど…千架は勝手にそう決めたけど…悠くんこそ、何でもっと話し合おうとしなかったの?」



「話し…合う?」



「千架が別れようって言った日…怒って走っていっちゃったんでしょ?」



「…否定はしません…」



「そのあとはメール一通で終わり、って…何で?ひどくない?」



「ええ?!」



僕は思わず声を荒げた。

千架の思いを汲んで
潔く身を引いたつもりだったけど…。



「何でって…ダメだった?!」



「何でもっと引き止めなかったの?そこまで千架を好きじゃなかったの?」



「ちょっと待ってよ!めちゃくちゃ好きだから千架の意見を尊重したんだよ!」



美和は呆れた顔で反論した。



「尊重するとこ大違い。別れ際に引き止めないなんて…悠くんがどれだけ別れたくないかアピールしないと、千架のことそこまで好きじゃないと思われて当たり前だよ!」



「マジかよ…。」



がく然とした。



―俺は間違ってたのか…?

< 223 / 271 >

この作品をシェア

pagetop