アイシング、マイラブソング
「千架は…他に何か言ってた…?」



「悠に嫌われたみたい、とか」



「そんな…」



「別れてから一度、ホームにいた悠くんを電車から見つけて目が合ったって言ってたけど、覚えてる?」



「うん…俺は隠れようとして…」



「そう、そうやって隠れようとしたからね、そんなに会いたくないんだ、ってすごい落ち込んでた。だって直後に電車の中から電話してきたもん」



こうも立て続けに自分の行動が裏目に出るとは…

しかも一番勘違いされたくない相手に。



「その日の夜の俺の告白については?」


「…ホントは戻りたくてしょうがなかったけど、つい意地はっちゃったんだって…。だから『悠くんの優しさを利用して最後に抱きしめてもらった』って、『悪いことした』って、泣きそうになりながら言ってたよ」



あらわになる千架の本当の気持ち…




―自分は何も解ってなかった…!




「あーもう!!」



「ゆ、悠くんどうしたの?」
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