アイシング、マイラブソング
「そういえば、さっき『千架と見た映画の歌だ』って思い出してたじゃん。すごくツラそうなカオだったけど?」



いきなり核心をついた美和…。




―そっか…無意識だったな…




自分を責めようにも責められない。


自分も千架と同じくらい悲しい思いをして別れて、

千架と同じくらい相手を想い続けてる。



千架の気持ちの重さは分からないけど、そう信じることにした。




「ってことで、やっぱり悠くんは、千架のこと…」




美和が『確認のため』みたいに聞いてくる。

女々しいと思われてもいい。

ハッキリ言った。





「今でも好きだ!」





「…元気な悠くん復活だね!いい顔してるよ」


美和は嬉しそうに言うと、まるでこれまでの緊張感も飲み込むように、すっかり汗をかいたジンジャーエールを一気に飲み干した。
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