アイシング、マイラブソング
「悠くんの素直なところとか、授業の後に黒板消ししながら先生と話したりするところとか、鉛筆まわししてもすぐ落とすところとか…。あたしには理解できないけど、千架にはツボだったみたい」


「『あたしには理解できないけど』って…失礼な!」


「だって鉛筆まわし落とすとかドジじゃん!ヘタならやるな、みたいな?」


「す、すみません…」



―それにしても、すげえ見られてるな…



「まぁそれで、悠くんと一緒にいたら、なんとなく楽しいだろうなって、思ったみたい」



「そっか…」



「卒業までに告白するつもりだったんだけどね」



「え?!千架が?」


「キミに」


「ええ??」


「でもなかなかタイミングがなくて、最後の卒業式にコクるって決めたんだけど、千架はモテるからあの子がいろんな人に呼び出されて」


「さすがだな」


「すべてお断りして悠くんを探そうとした時には居なかったって」


「祥とサッサと帰ったから…」


「あーあ。千架からの告白が待ってたのにねぇ」



―ヤバイ

―今更ってハナシなのに、

―俺…うれしいと思ってる…

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