アイシング、マイラブソング
―お見送り。
「千架…」
「あ…なぁに…?」
「実は美和から聞いてて…あさって上京だって」
「…うん、そうだよ」
「駅まで見送り、したいなぁ…なんて!あっ、もちろん友達として!ねっ?」
千架はうつむいて考え込んでいる。
―あ~…まずったかな…
―やっぱイヤだよな…
―ごめん、なかったことに…!
「うん、来て!」
―え?
「い…いいの?」
「8時に地元の駅出るから。寝坊大好きの悠が間に合うの~?」
「最後ぐらいちゃんとやるよ!」
「ははっ、楽しみに待ってるね」
千架は今度こそ走り去っていった。