アイシング、マイラブソング
「じゃあ またね!」
僕らの始まりの言葉を残して…。
「千架…」
小さくなる背中を見ながら名を呼んだ。
やっぱり会うたび愛しい。
話すたびに愛しい。
思い出すだけでも愛しいのに。
千架がしあわせなら良いだなんてキレイ事は自分には無理。
そばに居てくれるだけでいいのに!
胸が苦しい。
押し殺せないこの感情をどうしたらいいのか。
涙を流すだけじゃ足りない。
泣き叫んでも足りない。
何をしたって紛らわすことなんかできない…!!
一生のお願いを本気で使えるなら、
『いま千架をここにおいてください』―。
涙味の高校の卒業式。
まなびやや友人たちとの別れではなく、
千架への想いが溢れたせいで…。
祥に見つけてもらうまで、
僕は体育館の裏でバカみたいに泣きじゃくった。