アイシング、マイラブソング
ゴロゴロゴロゴロ

ゴロゴロ


ゴロ…



キャリーバッグの音の間隔が次第に空く。


足が止まりそうなほど

トボトボとうつむいて歩く千架。


少し先を行った僕は
彼女の手を引きながら、その歩幅に合わせた。


そして心では、
励ましの言葉を頭の引き出しから探しまくっていた。




「…あっ。なぁ、良く言うじゃん」



「何を…?」



「世界中どこに居ても同じ太陽見てるんだって」



「…それ、カレシとかが言う言葉」



「そこはちょっと置いといてっ」



「うん…」



「ま、そういうこと。」



「へっ?オチなし?!」



「悪いかよ」



「…ふふっ、オトボケな悠らしいね」

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