アイシング、マイラブソング
「そのお願い、きいてやる」



「ありがとう」



「千架のCDを一番に買うのは俺だからな」



「うん、よろしくぅ」



「よくあるデビューイベントとか握手会とかいるかもよ。千架の顔写真がプリントされたTシャツ着たりしてさ」



「はは、大歓迎!」



「マジかよ?」



「もっちろん♪」




黙り込むと考え事をしてしまうから、わざとたくさん喋った。


千架も同じで、努めて笑いながら振る舞ってる。




「じゃあね、悠。あたし頑張るから」



わざとらしいくらいに明るい声…



「うん」



頷くしかできない。





「バイバイ」




―バイバイ





口に出すことが出来ず、
心で呟いて手を振った。

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