アイシング、マイラブソング
「おい、君、切符は?!」




「すいません、入るだけです!!」




「入るだけでもダメだよ!」




気付けば僕は


駅員の制止を振り払い、


千架を吸い込んでった改札と階段を一心不乱に駆け抜けて、



ホームを上り切ったところで
右・左と首を動かして視界を何度も変え、千架を探していた。




ホームの一番端、うつむいて立つ千架を見つけた。




《まもなく電車がまいります》




アナウンスに反応して少し顔を上げたが、


それでも僕に気付いていない。





夢中で駆け寄って

名を呼んだ。




「千架っ!!」



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