アイシング、マイラブソング

【１―１】はじまりのプラットホーム

「ゆ―う　くん！」





一人で帰りの電車を待っていた僕に声を掛けてきたのは同中の美和だった。


通学駅のプラットホーム。


梅雨特有の蒸し暑さも手伝って、

電車が来ないことに苛立ちを覚えていたのだが、

自然と顔がほころんだ。



「美和じゃん！元気？」

「うん！悠くん、久々～！卒業以来だから…３ヶ月ぶり？」

「おう。めっちゃ偶然だな」

「ね！あたし今日たまたま遅くて」

「俺もだよ」



話に花が咲く。



美和は全く変わっていなかった。


彼女とは中学２、３年と同じクラスだった。

背の高さやショートカットの髪が物語るかのように男っぽく、気さくで話しやすい子だった。