アイシング、マイラブソング
―ふう、頑張った!



ひと息着いて、
とりあえず玄関先だったので自分の部屋に向かった。


ベッドに腰掛け、
落ち着いて、

送信ボタンを押…せない。



―よし、送るぞ!



今度こそ、押…せない。

もう一度メールを確認して…



やっとのことで

ピッ

―押したぁ!



[送信完了しました]
の画面を見ると実感が湧いた。



―ぅわ。送っちゃった。



試写会券を見つけたハイテンションでここまで来たゆえ、
我に帰るとネガティブな自分が戻ってきて

―どうしよう

の連呼がしばらく続いた。


ゴールデンタイムのテレビも見ずに自分の部屋に閉じこもり

夕飯すら食べずに千架の返事を待った。



―遅いな…



時間を持て余していると、いつのまにか午後9時を回っていた。



―イヤだから、シカトされたかな…



ピピピ ピピピ



「あ!」


ようやくケータイが鳴った。


ドキ ドキ


おそるおそる、ボタンを押した。
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