アイシング、マイラブソング
ボッカ~ン!!!
「?!」
脳が揺れた。
―なんだこの衝撃!!
…薄目を開くと眩しい光が目をくらませた。
背中が温かい。
土の匂いがする。
―俺…倒れてる…?
「三上!大丈夫か?!」
見慣れた部活仲間たちが上から僕を覗き込んでいる。
「ちゃんと名前呼んでパスしたのに!おまえボーっとしすぎだぞ」
―そっか…部活中だ…
友達も先輩も、皆ケラケラ笑っている。
キャプテンだけは冷静に
「グランド20周!」と罰をくれた。
僕は“仕方ないな”と腹を決めて走り出した。
ボールに集中できないしちょうど良かった。