アイシング、マイラブソング
《まもなく電車がまいります》
濡れた腕を軽く拭い終わった時、
タイミング良く電車がやって来た。
「乗ったら冷房で寒いからね。風邪ひかないといいんだけど」
千架が心配してくれるので、
僕は男らしく返事した。
「大丈夫だよ。それより、これ洗って返すね」
「いいよ、そのままで」
千架が強引に僕の手からタオルを取った。
そして、僕の汗だくの頭をくしゃくしゃと拭き始めた。
気を遣って頭はやめておいたのに。
「藤堂、いいって。今日は俺いっぱい走ったし汗クサイぞ!」
「関係ないよ。風邪ひくよ。それに、雨で汗が流れてキレイになったんじゃない?」
プシュー
僕らの乗る電車が止まり、扉が開いた。
「よし、マシになった!」
千架はにこっと笑って電車に乗り込んだ。
僕は
発車のベルが鳴るまでの数秒間
乱れた髪もそのままに
彼女の気持ちの良い行動と笑顔の残像に酔いしれながら立ち尽くしていた。
濡れた腕を軽く拭い終わった時、
タイミング良く電車がやって来た。
「乗ったら冷房で寒いからね。風邪ひかないといいんだけど」
千架が心配してくれるので、
僕は男らしく返事した。
「大丈夫だよ。それより、これ洗って返すね」
「いいよ、そのままで」
千架が強引に僕の手からタオルを取った。
そして、僕の汗だくの頭をくしゃくしゃと拭き始めた。
気を遣って頭はやめておいたのに。
「藤堂、いいって。今日は俺いっぱい走ったし汗クサイぞ!」
「関係ないよ。風邪ひくよ。それに、雨で汗が流れてキレイになったんじゃない?」
プシュー
僕らの乗る電車が止まり、扉が開いた。
「よし、マシになった!」
千架はにこっと笑って電車に乗り込んだ。
僕は
発車のベルが鳴るまでの数秒間
乱れた髪もそのままに
彼女の気持ちの良い行動と笑顔の残像に酔いしれながら立ち尽くしていた。