アイシング、マイラブソング
先刻の酔いの覚めやらぬ中、夢心地で電車の中を過ごした。

案外と話は尽きなかった。

というのも、千架がたくさん喋ってくれたからだ。


「今日はバスケ部の応援で学校に行って」

「女子なんだけどすごい迫力で」

「帰りに友達とマック寄ってね」


うんうんと頷きながら聞いていた。



「明日は1日中晴れだといいねっ」


「そうだな」



普通の会話でも、

千架と話すことは特別で。


この時の僕には充分だった。


一緒にいたいっていう、
『好き』の想いが叶っていることが。
< 51 / 271 >

この作品をシェア

pagetop