アイシング、マイラブソング

【2―3】素直になれば

ピピピピピピピピ



それは突然の出来事。



“好きな人”ができて間もない頃のこと。


その相手から初めての通話着信があった。



夜10時前。


寝巻きで
見る気もないのに寂しくて自分の部屋の小さなテレビを付けて
ゴロゴロしていた時だった。



ピピピピピピピピ



[着信中 藤堂千架]



ピピピピピピピピ



本当に心臓に悪い。


今まではメールのやりとりしかしていなかった。

この日いきなりだった。



―何かよっぽどの用事…


―まさか告白?



なんて望みの薄いバカなことを浮かべたらますます無駄にドキドキして、

もうすぐ切れるんじゃないかっていうところで、





「もしもし!」


通話口に出た。
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