アイシング、マイラブソング
[誰?]


すぐさま返信した。



ウー、ウー

ケータイのバイブ。

祥からもすぐに返ってきた。



[知るか!]



―俺らの知らない男…ますます気になる!!



その後、詳しく聞いてみると

千架と同じ北高の制服を着ており、

髪を丁寧にワックスで逆立てていておしゃれな感じで、

メガネの似合うさわやかくんだそうだ。


―自分は…


坊主までは行かないがそれに近い短髪。

インテリとはかけ離れたしょうゆ顔に、

部活焼けした黒い肌…



―勝ち目ねえな…



見たこともないヤツに祥の印象だけで負けた気分になった。


そして、

少しいい気になっていた自分を責めた。


―藤堂の隣に居ていいのは

―俺じゃないんだ…。
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