アイシング、マイラブソング
「見せろ―(怒)!!」


マンガなら青スジマークがおでこに5コぐらい出ていただろう。

「ほいっ」

祥は僕のケータイをぽいとこっちへ投げてきた。

慌てて画面を見る。




[海に行こう。秋は夕陽が反射してきれいだから見せたいな。来週の日曜空いてる?]




不覚にも、

僕がぐっときた。



「…このメール、コクってねえじゃん」


「コクるのはおまえだろ。俺はセッティングしただけ」



―このセッティングで失敗したら超カッコ悪いじゃん…



ハードルを上げられた気がした。



「ちなみにソレも送ってねえから。お前からかうとオモシロ!わはは!」



確かに、未送信マーク。


―やられた!


「祥…おまえ意外とクサいんだな」


「うるさいな。じゃあそのメール使うなよな」


「いえ、引用します」


「勝手にして」


祥は照れ隠しか、またゲームを始めた。
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