アイシング、マイラブソング
僕には今まで反抗期というやつがなかった。

今時の高校生にしては珍しく家族と仲良くやっていると思う。

毎日こんな調子で、学校のこととか普通に話したりする。


だからといって、

しばらくは千架のことは話題にできなかった。


この時は
からかわれることが
どうしても気恥ずかしかった。


「いってきまぁす」

「悠、朝ご飯は?」

「いらねえ!」


ごはんも食べずに家を飛び出した。


―昨日約束したんだ


千架に会うために。
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