小さな恋の、小さな話
「…キョウスケ。今の、何」
驚くことにリンが
図書室の入り口に立っていた。
「どうして!!?」
「違ぇよ。何もねぇから」
「喋ってたじゃん。あの女が好きなんだ?」
リンにも、腹が立った。
何で俺を信じてくれないのか。
そんなに俺が軽そうに見えるか?
どうして…。
好きだからこそ
信用されていないことに
より大きな怒りを覚えた。
「俺のこと信用しろよ!!いちいち疑われる俺のことも考えろ」
俺は図書室にリンを放って
早足で学校を出た。
これ以上口を開けば
俺はリンを傷つけることしかできない。
そういえば…
俺がリンにこんな風に怒ったの
初めてかもしれない。