小さな恋の、小さな話
俺が公園に着くと
リンはベンチに座っていた。
「きょ、すけえぇ」
顔を上げたリンの顔は
もうぐちゃぐちゃだった。
ずっと泣いていたんだろう。
「ごめんね。ごめんね。信じてない訳じゃないの。心配なの」
リンは泣きながら話す。
「あたしきっと、独占欲が強くて…。キョウスケがいないとダメだよ」
我慢できなくなり
俺は優しくリンを抱き締めた。
言葉はいらないと思ったから。
「…離さないで」
リンがそう言う。
だから俺は強く強く
抱き締めた。