不器用な君と不機嫌な私
現れたのは
格別にカッコいい男子でも、
クラスに一人はいるお調子者でもなくて


一人の女の子だった。


「ってあー!!キョン!また同じクラスーっ!?」


「おい…朝からうるさい黙れ。」


キョンと呼ばれた男子は、ため息をつきながら冷たく言い放つ。


そのときはじめて私は、クラスの男子に目が行った。



このクラス、女子はかなり地味で仕方ないけど



男子がかなり派手なことにようやく気がつく。


キョンと呼ばれた男子も、かなり顔が整っていたのだ。


「うっわ冷た~。別にいいけど!」


その女の子を一言で言い表すと

派手

なわけだけど、ただの派手とは少し違った。
男ウケを狙っているようなものではなかったからだ。


自分を突き通しているような

自分の道をしっかりと見据えていた。


ホットピンクの星形のピアスをして、
グロスもピアスと同じような色


毛先だけをブリーチしたボブは
目鼻立ちのくっきりした
その女の子にはとても似合っていた。


どこかの雑誌に載っていてもおかしくはないほどの容姿。


このとき私はすぐに判断した。


きっとこの子とは
関わることはないだろうと。



「ねー!郁の席どこー?」


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