不器用な君と不機嫌な私

「なに?」


「ごめん、私ひどいこと言った。」


言いたいことはただそれだけ


悪気があって

この子達も話しかけてくれたんじゃないって信じてる


すると一人の子がくすりと笑う声が聞こえてきた


「藤原さん、

騎馬戦がんばろっか。」


笑ったのは、バカにしたからじゃなかったんだ


ただ、優しく笑ってくれて



「それに、なんか

初対面なのに人の悪口とか言ってごめんね。




「でも、藤原さん

西村さんと一緒にいると楽しそうだし、


うちらなんか誤解してたかも」



他の子たちも

次々にそう言ってくれた


言葉にできないくらい


嬉しさが込み上げてきて


ただ、力一杯うなずくことしかできなくて


そんな私を見て、彼女たちは

ほーら、
早く乗って


と背中をぽんっと押してくれたのだった。




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