不器用な君と不機嫌な私
次の日、いつもどおり帰ろうとすると
柳瀬くんがやってきた。
「おーっす!
なーんかさ、藤原さん元気なくね?」
「え、そうかな」
「んー、うん」
「そうなのかも。
私、案外郁のこと知らないんだなーって」
「知らないもなにも、まだ知り合って三ヶ月くらいなんじゃねぇの?」
「それは、そうなんだけど」
「俺もあいつと関わりはじめたのって中2くらいからだけどさー
あいつは謎が多い!
うん
だから凹むことねぇって!」
もしこれが励ましてくれてるのなら、
少しだけ元気が出た。
こんなふうに話しかけてくれる男子は
今までいなかったから
「そっか、ありがとう」
「いやいや
んじゃなっ!」
なんだか柳瀬くんを見ていると
むかし先生も
こんな感じだったのかな
なんて思ってしまう。
身長も似てるし
なんだか、先生に会いたい。