不器用な君と不機嫌な私


「よっ。郁」


ドアのベルが鳴って


開けてみると

来てくれたのは


キョンじゃなくて


アキだった


「………なに」


「この前郁、食べたいって言ってたろ。
このマカロン」



「でもアキ、あんなにメルヘンなお店ひとりで入ったの?」


「そうなんだよ、

恥ずかしすぎてやばかった!」



どうしてアキは


そんなふうに笑えるの


そんなに楽しい?

わかんないや


「郁、入ってもいいか?」


「いいけど」



いいけど、


嬉しいけど。



キョンがよかったよ
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