不器用な君と不機嫌な私

遅すぎる自覚



柳瀬たちがいない。


たしかこの場所で
この時間で合ってるはずだ


待ち合わせ時間から一時間経っているのに


なんで来ないんだよあのチビ


ため息をつくと柳瀬から電話がかかってきた


「はい」


『おー、怒ってる怒ってる』


「なにいってんのお前」


『悪かったって!
いいかー、京介ー
お前には義務がある!よく聞けよ!』


「はあ?
っていうかそこに高橋たちもいるんだろ」


電話の向こうからは高橋たちの笑い声が聞こえた。



『まあそうなんだけどもな、
お前は今日中に藤原さんに会え!
夏祭りいるらしい!

お前いい加減しらばっくれんのやめろ!

ちゃんと素直になってから
俺たち報告しにこい!以上!』


「お、おい、ちょっ」


すると電話がぶつりと切れた。


なんなんだよ、


だいたいこの人混みの中で
会えるはずないだろ


素直になるって、

なんなんだよ


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