不器用な君と不機嫌な私
「なにしにきたの」
会ってはいけないとわかっていた
だからこれで最後にする
ちゃんと言わなきゃ。
「その、昨日の夏祭りで
疲れてるんじゃないかっておもってさ。」
そっか
キョン、郁が途中で帰ったこととか
なにも話してくれてないんだ
「別に、大丈夫だよ。
ねえ、アキ」
「ん?」
「もうこうやって、郁に会いに来ないで。」
「……なんかあったんだな」
「違う、なにも無いの、だから
会いたくない。」
ーーー郁のウソツキ。
もう一人の郁の声がした。
嘘なんか、
ついて…ないのに。
「ごめん、迷惑とかそういうの考えてなかったみたいだな、俺。
わかった。」