不器用な君と不機嫌な私


それからも

やっぱり郁は学校には来なかった。


先生もどこか、私を見ないようしているような気がして。


私もまだ、先生に

いろいろなことを
聞く勇気がでなかった。



それに私も、まだ頭の中が整理できていなかったから


郁が来なくて少しほっとしているところがあって


それも嫌だった。



でも文化祭の準備も着々と進んでいて、私のクラスは

お化け屋敷をすることになっていた。


ありきたりだけど、

準備をしているみんなは
すごく楽しそうだった。


「なあなあ!これどこに付けんのー!?」


「知らない!自分で考えてよ!」


そんな会話が聞こえてくる。


暗くなってちゃダメだ



私も少しは手伝わなくっちゃ、


「ねえ、私なにしたらいいかな?」


そうやって聞くと、みんなは

それぞれちゃんと指示をしてくれる。


辛いのは、私だけじゃないんだから


私だけでも前に進まなきゃ。

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