不器用な君と不機嫌な私


「郁、別に学校に来るのが悪いとは言ってないけどさ


なにがあったんだよ」


「…なんだろうねーっ


そうそう、このクラスお化け屋敷やるんでしょっ?

おばけ役ってだれがするのー?」


「柳瀬くんとか、高橋くんたち」


いいよ、もう


郁がいつもどおりやろうってんなら


私だって何も知らないふりをしてやるから


もう、知らない。


なんなの、わけわかんない


「へーっ!!

なーんか、やっぱりねって感じだねっ」


「そうだね」


「ところでー、

2人っていつになったら
付き合うの?」


「はあ?」


「えーっ!だってー…」


「郁、お前いい加減に」


仲本がそこまで言うと

先生が教室に入って来た。


すると郁は平然とした顔で前に向き直る。



いつになったら付き合うのって



どういう意味なのか、わからないまま

その日の郁との会話は終わってしまった。


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