不器用な君と不機嫌な私

「ねえ、ここって仲本の…」



「入るか入らないかは、あんた次第。」



駅を出てから、仲本は自分の家の前で立ち止まった。



「でも、なんで…?」



「俺は別に学校でもよかったけど、

話す内容が、あんたにとっては


耐えられるかってことだよ。


好きなんだろ、広瀬のこと」



何も言えなかった



仲本は、私が先生のこと好きなの

知ってたんだ。


急に恥ずかしくなって、


身体中が熱くなる。



「な、なんで…」



「……やっぱり俺が決める。


入って」



そうやって促されて、仲本が扉を開けてくれた。



「親、今いないから」



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