不器用な君と不機嫌な私



「でも、二十歳の男が

12歳の女の子を本気で好きなわけないって思うだろ、

広瀬自身も、郁のことは
妹みたいに思ってたから

別に恋愛対象として約束したわけじゃなかったんだ。


でも、郁は違った。


完全に俺と広瀬を間違えてる。


俺があの日、郁に約束したとまだ信じてるんだよ。




「じゃあ、郁は
先生が自分に約束してくれたこと、
知らないってこと?」


そんなのって、あんまりだ。


先生はあんなに郁のことーーー。


「薄々気付いてるとは思うけどね

じゃなきゃ困る。

俺がなんのためにあいつに冷たくしてるんだって話になるからね。




「どういう意味?

じゃあ仲本が冷たい理由って

郁に先生のこと気付いてもらうため…なの…?」



「まあ、そういうこと。

それに、してもない約束

勝手にしたことになってるなんて、おかしいだろ。」

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