不器用な君と不機嫌な私
仲本が、隣の空いたソファーに来てくれて
触れ合う肩から
熱が伝わる
それがあまりに温かくて
そのとき、はじめて
涙が頬を伝った。
もう、無駄なんだね
好きでいても、
叶わないし、見てもらえない
こうなるくらいなら
好きになんて、なりたくなかった
どうして先生だったんだろう
それに
郁だからこそ辛い
すごく大切な人だからこそ、
余計に辛い
先生との思い出なんて
夏祭りに一緒に歩いたくらいしかないのに
なんだかそれが
すごく大切に思えてきて
涙は止まることを知らなかった
気がつかないうちに、仲本は私の手を握っていてくれて
心の中で何度も何度も
ありがとうと呟いた。